大久保さんは晋作さんの胸倉を掴んだまま叫んでいる。
「高杉君…この娘と新撰組との関わりをどうするつもりだっ!!」
「新撰組……」
呟いた晋作さんの隣にいる桂さんの表情も凍る。
「高杉君の甘さが、こいつを放り出す事になったのだ!これは我らの内で抱えられる事ではないぞ!」
やめて……!
違うし。それは、悪いのはわたしであって晋作さんじゃない…!!
そう言いたいのに、大久保さんが怖くて言葉が出ない。
「高杉君、分かっているのか!!」
大久保さんが苛つくようにそう叫んだその時、胸倉を掴んだ手をゆっくりと放させて、晋作さんが息をつく。
その姿はまるでいつものままで、特に怒っている様子も怯んでいる様子もなくて。
なんだか、彼だけがこの空間の中で浮いた存在みたいだと、ただわたしはそんなことを考えていた。
彼は、わたしの前で…わたしに向かってにっと笑って言う。
多分、わたしを安心させるために。
「何の問題もない」
「…何?」
晋作さんが振り返って、大久保さんを見る。
「沖田とこいつが顔見知りなんて事は、当の昔に知っている」
晋作さんの言葉に、今度は大久保さんが言葉を無くす。桂さんも同様だ。
そんな中で、やっぱり晋作さんだけは平然としていて。
「このオレが問題ないと判断した」
きっぱりと。毅然とした態度でそう言いきって。
そこには、有無を言わせない迫力があった。
「いいか?こいつを小さい尺度で測ろうとしても、無駄だ。…こいつには、幕府も帝も外国も。何もかも関係ないんだからな」
晋作さんはそう言うと、大久保さんや桂さんと同じく呆然としているわたしの目の前までやって来て、おでこをコツンと小突いた。
「さぁ、帰るぞ!」
「え?あ…」
晋作さんは、本当にいつもの調子で私の手をとると帰路につく。
わたしは……大久保さんに言わなきゃいけないこと、とか。あるんだけど。そのまま引きずられるようにして連れて行かれる。
けど。
大久保さんは、わたしや……何より晋作さんを心配してくれてるのだ。悪いことをしたのはわたしで、大久保さんは当然のことを言ってて、そして……それでもなお、わたしを大事に思ってくれるから怒ってくれたのだ。
本当に本当の、複雑な関係は今でもよくわからない。でも。思ってくれたのは本当だと思うから。
わたしはなんとか振り返って、大久保さんにひとつお辞儀をする。そして。
「し、心配かけてごめんなさいっ!」
かろうじてそれだけ叫んで、わたしは晋作さんと共に土佐藩邸を出た。

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しばらくは呆気に取られていた。開いた口がふさがらない…とはこのことなのだろう。
「一体何なんだ、あの娘は……」
そう呟いて小五郎を振り返れば、口を開けて呆けている。
……この男との付き合いもある程度になるが。いまだかつてこんな顔、見た事がない。
さっきまで自分も似たような表情をしていたのだろうと思うと笑えてくる。
「……くっ!あっはっは!」
目の前で急に笑い出した大久保に小五郎は驚いた表情で口を開いた。
「お、大久保さん?」
「見ものだ!桂君、なかなかいい顔をしていたぞっ!」
「え?あ……!」
まあ自分だってそうだったのだろうが、そこは敢えて棚に上げる。
見られていないならこちらの勝ち……ということだろう。
小五郎は慌てて佇まいを直す。
しかし、小五郎のこんな面を見られたのもあるいはあの小娘のお陰か……。
それにしても。
「あの2人の世話は、大変だろうな」
思わず口をついて出た、まるで労うかのような素の言葉。
小五郎は「そうですね…」と微笑んで続ける。
「楽しいんですよ。それこそ毎日新しい顔をしている」
小五郎は晋作達が去った方向を見て、目を細めた。
「恋を知った子供たちの成長は、楽しいものですから」
「恋、か」
さながら親の気分、と言ったところか。
大久保も、2人が去った方を見て思う。それに関われない事が不本意…ではあるが、自分もしばしは親の気分を味わうのも面白いだろう、と。

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「あああ!やっと解放されたぜ!」
長州藩邸に戻ってくるなり、晋作さんは大きく伸びをする。
「疲れたか?」
わたしの顔を覗き込んでそう言う晋作さんに笑ってみせる。
「少し。でも大丈夫だよ!」
疲れたのは晋作さんだろうと思う。会合が終わったと思ったら、わたしのせいでゴタゴタして。……しかも、あれは……。
分の悪いわたしをかばったことで立場が悪くなったり…してないのかな……。
思いとは裏腹に笑って見せたわたしを見て、晋作さんは安心した表情を見せた。
そのまま、窮屈な会合が終わった打ち上げに!と晋作さんが宴を所望して、近くにいた藩邸の人たちは「おう!」と声をあげて宴会の準備をし始めた。
そう言えば…今日は大事な会合、だったんだよね。無事に終わったのか晋作さんに問うと、彼は自慢げに「坂本の思惑通りになった!」と答える。
なにやらよくわからないけど……簡単に言うと長年仲が悪かった長州と薩摩で、仲良く手を組んで幕府を倒しましょう……と、いうお話し合いだったらしく。
仲良く、倒すって(苦笑)
というか、幕府を倒すって……それってすごく大きな話し合いだったんじゃ……(汗)
って、ん???
「大久保さんって薩摩の人なんだよね?」
「あぁ、そうだぞ?」
「桂さんや晋作さんは長州の人なんだよね?」
今更、と思っただろう。晋作さんはきょとんとして答える。
「もちろんそうだが、それがどうしたんだ?」
頭がくらくらした。自分がしでかしたことの大きさを、本当に痛感する。
「……わたし…………そんな直後に。大久保さんと晋作さんの仲が悪くなるようなこと、しちゃったの……!?」
泣きそうな気分でおろおろするわたしを見ながら、晋作さんは笑う。
「ははは!大久保さんはあの程度で揺らぐ男じゃない!心配するな!」
そんなこと言われたって、あの大久保さんだよ???
しかも、あの大久保さんがあんなに怒ってたんだよ???
「お前にはわからないかもしれないが、大久保さんはああ見えてかなり、でっかい男だぞ!」何が?(こら~~~(爆))
「……。晋作さんと同じで?」
「オレとっ?」
驚いた表情の晋作さん。……特に深い意味はなかったんだけど、けど。晋作さんは許容量が大きい、というか。そういう人なんだってのはすごく感じてる。
わたしという存在や、未来、携帯だって受け容れてしまえるような人だ。
なかなかこんな人、いないだろう……。
「見かけによらず、大物ってこと。でしょ?」
わたしが少しおどけて言うと、晋作さんは「面白いことを言うな!」と笑う。
「だって晋作さん、隊長っぽくないよ?」
「そうか?」
「そうだよ」
「理由を教えてやろうか」
にやりと笑い、少しだけわたしに顔を寄せ、晋作さんが言う。
理由……というのもおかしなものだと思うけど。隊長が隊長らしくない理由なんてあるのかな…?
わたしは笑って「なぁに?」と聞く。
晋作さんが、楽しそうに返した。
「お前といる時のオレが、素のオレだからだ」
「え」
「誰にも見せない、本当のな。……いいか?覚えておけよ?」
一瞬、意味がわからなくて。
でも、理解した瞬間に耳まで熱くなるのがわかる。
それってつまり……わたしの前では『隊長である高杉晋作』を演じてないから、ってコト…だよね?
な、なんだか……嬉しいな……。
と、和んだ空気になった所で入り口の方で誰かが「桂さん」と呼ぶ声がした。
桂さんが戻ってきたのかもしれない。出迎える為にわたしか立ち上がると、晋作さんも一緒についてきてくれる。
「おかえりなさい!」
声をかけたわたしの顔を見た桂さんは、やっぱり複雑そうで。一度は浮上していた気分が一気に下降する。……そう、桂さんも怒ってたハズだ……。
「私が何を言いたいかわかるかい?」
正直、大久保さんみたいに激昂されるよりも桂さんみたいに静かに諭される方が辛いかもしれない……。
俯き、問いに答えられないままいると桂さんがため息をついてから表情を和らげる。
「怒っているワケではありませんからね?」
「えっ?そうなんですか?」
見上げた先、桂さんの笑みに少しだけ緊張が解けた。
「君の、誰にでも分け隔てなく向き合う姿勢は素晴らしいと思う。ただ、それが君の身に危険を呼ぶことをもっと、もっと、自覚しなさい」
「……危険……」
「まさに今回の件がそうだったでしょう?」
……確かにそうだ。
わたしの迂闊な行動が大久保さんをあんなに怒らせて。
ひょっとして、ひょっとしたら。晋作さんがうまく取り成してくれなかったらこの世界で行き場をなくしていたのかもしれない。
ううん!それとも、斬られてしまったり……!?
自分の想像に身震いする。
「人と垣根なく付き合えるのは素晴らしいことだけど、時と場合をきちんと考えて、相手もしっかり選ぶことが、君の安全に繋がるんだ」
「……はい」
わたしは、小さく答える。
「だからこれからはもう少し立場を踏まえて」
「あーっ!もういいだろ!こいつもわかってるってっ!」
「晋作さん」
まだまだ続きそうだったお小言を、晋作さんが遮って笑う。
途中で中断させられた桂さんは明らかに不満そうだ。
でも。
そんなことを気にする晋作さんじゃない。多分わたしよりももっと、桂さんはご存知のはず。
「ほら、宴会の準備も出来てるんだ!お前も早く来いよ!」
「あ!待て、晋作!」
制止の声も聞かず、「宴会だ~宴会だ~!」と楽しげな晋作さん。
わたしはやっぱりいつものように晋作さんに引っ張られて宴会場へ連れて行かれる。
その、間。
わたしは、思っていた。
桂さんの言葉の意味。それは、きっと重く受け止めなくちゃいけない。
晋作さんはわたしに甘いから、言わない。言わせない。
だから、わたしはちゃんと理解しなくちゃいけないんだ。
わたしの行動が、晋作さん達に迷惑をかける可能性を───。


「ははは!今日は気分がいいぞーっ!」
「晋作さん、そんな大声出したらみんな起きちゃうよ」
夜中にやっと宴会が終わって、みんなはもう寝静まった頃。
わたしはお酒が入ってご機嫌な晋作さんの部屋にいた。なんかもう断って退室することすら無理な勢い…というか、テンションだったのだ。
「ほら、おまえも一緒に飲め!」
…もぉ、高校生に酒を勧めるなんてダメな大人めッ!!!
わたしは運動部員なんだぞー!身体が資本のまだまだ成長盛りなんだからっ!
「ダメだよ。わたしはまだ未成年なんだからっ」
「なーに言ってんだ!17と言えば立派な大人だろうが!」
む……。まぁ、子供だと言われると腹が立つ。けど大人だと言われても自覚のない微妙なお年頃であることは認める。
だから。
「まぁ、そうだけど……」
子供ではない、を地味にアピールするわたしに、上機嫌で晋作さんが酒を勧めてくる。
「よーし、認めたな!飲め飲め!」
「ダメだってばッ!」
それには必死で抵抗する。……酔った大人は本当に手に負えないと痛感していた。
「…もうっいつもは子供扱いばっかするくせに、ずるいよっ!」
わたしがぼそっとそう言うと、晋作さんはずいっと顔を近づけてくる。
「どこがずるいんだ?」
……ち、近いし!!!顔ッ(泣)
「ちゃーんと大人扱いしてやってるだろ?」
そ……そうなのかなぁ!?なんだかちょっと……てか、晋作さんが近すぎて冷静に考えられないんですけどっ!
若干距離を取りつつ、「まぁ、そうだけど…」と漏らすと、晋作さんは再びにじり寄って「不満か?」と聞いて来る。
な……なんなんだろうっ!酔ってるせい!?やけに色っぽいんですけどっ!
いや、男の人に色っぽいってオカシイけどでも、なんか瞳とか潤んじゃってたりしてたりとかするしでもなんだかすっごい真剣だしで…ああ。もう自分でも何がなんだか…(苦笑)
「ふ、不満じゃないです……」
言葉にふわりと、晋作さんが笑う。うううう……。また晋作さんのペースに乗せられちゃった……!!!
「はい、よく言えました」
…結局子供扱いじゃない。と、ちょっと残念に思ったことはさておき。
わたしが飲まないのには、未成年であること以上にもっと大事な理由がある。
前に晋作さんが発作を起こした夜もお酒を飲んでた。あれが、お酒のせいってわけじゃないのかもしれないけど……。
でも、ちょっとでもそういう可能性があるんなら、わたしがしっかりして、傍についていなきゃ。
そう、思っていると。
「……って、ない」
ぼそっと、何か呟く晋作さん。
「ん?なに?」
問い返した直後に晋作さんがわたしのすぐ横にドッカと座り込む。
「今、なんて言ったの?晋作さん」
「大久保さんはわかってないと言ったんだーっ!!」
「!?耳元で叫ばないでっ!」
しかもみんなが起きるから!!静かに、静かにっ!!!願う思いも虚しく、晋作さんは続ける。
「わかってない!首に縄つけておいたんじゃ、意味がないだろう!おまえ自身の意志で、オレの傍にいさせるんだ!!!第一っ……!!」
勢いよく叫んでいた晋作さんの声が、消え入りそうに弱くなる。
もー、酔っ払いは手に負えない!(苦笑)そう、思ったわたしに聞こえたコトバ。
「こいつには、帰りたい家があるんだ……」
寂しそうなその声に…言葉に、ズキリと胸が痛む。
でも、そんな声音も一瞬で。
「オレはおまえを帰らせてやると約束した!おまえを帰らせてやるのはオレなんだ!なぁ?」
晋作さんはそう言ってわたしの顔を覗き込んだ。
「晋作さん……」
酔っているせいなのか、いつもよりずっと顔が近い。
やっぱり相変わらずドキドキしていたけど、それ以上に言葉にも動揺している。
「はぁ……」
晋作さんは小さくため息をつくと、コテンとわたしの膝に倒れこみ……また膝枕状態になってしまった……。
「気持ちいいな……」
なんか、率直な感想がかなり恥ずかしいんですけどっ!!!
「し、晋作さん!寝るならちゃんと、お布団で寝なきゃっ」
なんとか立って逃げようとするのに、それを拒むように晋作さんがわたしの腕を掴んで引き戻す。
「こら、甘えさせろ」
「…え?」
「聞こえなかったか?甘えさせろと言ったんだ」
そう言って笑う晋作さん。対照的に慌てるわたし。
「え?あのっ、甘えさせろって……!?」
「きっと…お前といられるのも…あと少しだから……なぁ…」
どうしてだろう…。『帰るわたし』を晋作さんに語られるたびに、胸が締め付けられて泣きそうな気分になる。
今だって。
「だから……今夜ぐらいは…お前…に……」
それだけ言うと、晋作さんがわたしの膝の上にごろんとかぶさってくる。
続く言葉を待ってみたけど、聞こえてくるのはスースーと安らかな寝息だけ。
苦笑する。そして、目の端に滲んだ自分の涙を拭った。
「仕方ないなぁ……」
柔らかな髪に触れ、いつもはわたしがされているけど……晋作さんの頭を撫でてみる。
胸に、込み上げる、想い。
……帰りたいと言ったのはわたしで。
晋作さんは絶対に帰る方法を見つけてくれると、言ってくれて。
それなのに、どうしてこんなに寂しい気持ちなんだろう。
(お前の本当にいたい場所を、考えてみろ)
ふと、以前大久保さんに言われた言葉が脳裏をよぎる。
そして今日、『もう長州藩邸に置いておくな』って言われた時……。
わたしは、本当に。ショックだった。
長州藩邸を出る=元の世界に戻る……なんてことではない。……ないけど、でもあの時わたしは元の世界へ帰ることなんて一瞬だって考えてなかった。
思いつきもしなかった。
ただ純粋に、長州藩邸を追われることが、辛かった。

……どうして?

……わたし、は……。帰りたく、ない……の…?



差し込む日差し。鳥の声。いつものように……でも、いつもと違ってアチコチが痛い気がして目が覚める。
と。目の前に晋作さんの顔があった。
「きゃっ!」
「おいおい、いきなり、きゃっ!はないだろ!」
どうやらわたしは昨日晋作さんを膝枕したままで眠っていたらしい。器用な……
首やら足やらなんだかあちこちがギシギシいうような気がした。軽く首を回して……ふと、思う。
「もしかして、ずっと前から目が覚めてた、とか?」
わたしが聞くと、晋作さんはニヤリと笑って言う。
「ああ、覚めてたぞ?お前の可愛い寝顔をずっと見てた」
もぉ、この人はっ!!!朝の起き抜けから~~~ッ!!!!
怒りやら恥ずかしさやらで顔がかあああぁぁぁっと熱くなる。
「お、起きてるなら早くどいてよーっ。もうっ!」
「ははは!怒るな怒るな!」
そう言いながら起き上がった晋作さんが窓の方へ逃げた。
わたしもその後を追って立ち上がろうとしたその時。
……そのまま、畳の上にステーンと転んでしまった……。
「あ……足が……」
完全にしびれてる……。なんかもう感覚さえないよ……。
「ま、一晩中オレ様を抱えていたからな!……お前の膝の上は寝心地最高だったぜ?」
……わたしは畳の上に突っ伏しておくことに決めた。
こう次から次へと殺し文句ばっかり繰り出されたんじゃ立ち直るヒマがない。。。
どうせ恥ずかしいんなら、既に見せたこの体勢がなんだ!!!(開き直り)
「どうした?顔が赤いぞ?」
声が近づいて、晋作さんの息遣いすら感じる。顔は伏せているわけだから、そんなの分かるはずナイ…!とも思うけど。耳まで熱い自覚症状を考えれば顔が赤いことくらい分かるのかもしれない……。
「知らないっ!」
そう言って声が聞こえた方じゃない方に顔を背けた瞬間、フワリと身体が浮く。
「え!」
「おーおー、やっぱ軽いな!」
わた、わたしっ、お姫様抱っこされてる!?
「わっ!や、やだっ!降ろしてっ!」
生涯初のお姫様抱っこに慌てふためくわたしに、晋作さんはサラリと言う。
「さっさと行かないと、りくの大好きな朝飯がなくなっちまうぞ?」
がくーっ。
なんか、さっきまですごくすごいシチュエーションだったような気がしたのになぁ…。
結局いつも通りだなぁ~(苦笑)
でも、確かに……お姫様抱っこは恥ずかしいけどごはんは食べたい……。
葛藤するわたしを見て晋作さんは大笑いしていて。
「ははは!おまえは正直だな!ほら、行くぞ!」
「うー……」
結局私は、そのままの格好で朝食の用意された部屋へ向かったのだった。

現れたわたし達を見て、桂さんは呆れ顔で。
精一杯礼儀正しくしたつもりの晋作さんの腕の中からの挨拶も、大して状況を緩和する手助けにはならなかったらしい。
「本当に……仲のよろしい事で、妬けますね」きゃー!!!なにそのセリフっ!!!妬いて、妬いて~~~~ッ!!!!(嬉)……ん?でも、どっちに?(乙ゲーです(怒))
「おぅ。そうだろう、そうだろう!」
桂さんの言葉に機嫌をよくした晋作さんが、わたしを降ろしてくれる。
「おい、もう足は大丈夫か?」
「うん、もう大丈夫」
気遣ってくれる晋作さんに軽く手を振って、答えるわたし。
それに桂さんが微笑んで。みんなで食事をすることにした。
そんな最中、晋作さんが言い出した。
「小五郎!でかい仕事を一つ終えたことだし、オレは今日1日のんびりするぞ!」
「はぁ……それは構わないが、いったいどんな宣言なんだい?」
いきなりの言葉の意味がつかめず問い返した桂さんに、満面の笑みを浮かべて晋作さんは返す。
「今日は1日、こいつと過ごすんだ」
こいつ=わたしよね??他に人もいないわけだし。
きょとんとするわたしを晋作さんが見つめてくる。
「忘れられない一日に、してやるからな?」
そう言った晋作さんの笑顔に、またドキリとする。
どうしたんだろう……。
昨日から晋作さんが別人みたいに見える。すごく積極的だし(いや、ずっとそうだと言われるとそうなんだけど)大人っぽく見えて。
視線すら、まともに合わせていられない……。


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はい~!そんなトキメキっ☆拾壱話でしたぁ!!!
あああ~~~。晋作さん、えぇわぁ……vvvかっこ可愛すぎるっ!!!
もぉ、隊長に見えないのはなんでか。のくだりで撃沈してましたっ!!!あああ~~!なんか基本子供っぽいのに、ちゃんと大人だ~~~~っ!!!
声がないので妄想ですけど(笑)絶対主人公ちゃんオトそうと仕掛けてる時は日頃と全然違う声出してるハズですよッ!!!
隊長モードの、晋作さん……的な声ッ(笑)
いやはや。本当にトキメクゲームですよっ♪楽しすぎて、極力毎日これ書いてるし(笑)

『忘れられない1日にしてやるよ』
は、正直複雑は複雑なんですけども。(晋作にしてみたら、「向こうの世界帰っても」ってのが、言わないだけで前についてるんだろうな~とか思っちゃって(苦笑))
あのセリフ書いてて泣きそうになってました(爆)
さて~、そんなわけで次回は忘れられない1日vvv(笑)
なんか……アレですね。そうこう言いながらラブいイベントより、沖田さんに襲われたりして死ぬ思いでもして『忘れられない』1日にでもなりそうで怖いんですが(爆)

しかし楽しみvvv


この、アプリゲームを書き出している過程で、ちょっと立ち返ったことが1つ。
こうやって書いてると、妄想しやすいんですねぇ……、びっくり。
晋作と沖田(+主人公)でフツーに同人書けそう。(イエ!乙ゲーの範囲で、ですよ!?掛け算とかじゃナイです!)しかも、幕末とかまったく興味なかったんですけど、資料として興味持てそう!関係とかすごく気になる!(今更!?学生の頃が良かったなぁ…)
今までゲームで同人したことなかったですけど……つまり、アレなんですよね。流しすぎててハマれてなかった…的な。
もうちょっと妄想力を発揮したいな!!!なーんて。
仕事中にそんな事を思っていた、今日……。(ヲイ)


今日の選択肢
晋作さんと同じで?(花)
まぁ、そうだけど……(花)

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