幕恋 『高杉晋作 第五話』
2009年12月5日 携帯アプリ翌日。廊下を歩いていたら、入り口の方から誰かの話し声が聞こえる。
気になってひょいっと入り口を覗いて見ると、坂本さんと武市さんの姿が見えた。
「おはようございますっ!」
目が合って、元気よくご挨拶!一日の始まりは元気な挨拶から~ってね~!
二人とも笑って挨拶を返してくれた。しかも、元気がいいって褒められた!!
今日はいいことありそう~♪
「…龍馬、どうした?」
武市さんが、ふと坂本さんにそう問い掛けた。
坂本さん、武市さんをガン見してたから……気になったみたい。
「こん子と話す時は、武市もいい顔をすると思ってのう」(おおお!?)
「そ、そんな事はない!」(おおお……)
「にしし!すみにおけんのう」
坂本さんも何を言い出すやら(苦笑)武市さんが困ってるし。
「随分と賑やかだね」
そんな中、桂さんが現れてわたしは二人の案内役を仰せつかる。案内する道中でもこの二人はさっきの会話を続けている。
「武市、桂さんに救われたのう」
「もう、黙っていろ」
「えぇじゃないか」
「龍馬!」
…こんなこと話してるとわたしと大して年が変わらないような気すらしてくるよ。二人に背中を向けたままでくすくす笑っていると、坂本さんがわたしに声をかけてきた。
「藩邸での生活は、もう慣れたんかのう?」
「はい。お蔭様で。…あ。だけど」
『だけど?』
二人に同時に聞き返されて、やっぱりくすくす笑いながらわたしは答えた。
「高杉さんには、振り回されっぱなしです」
言葉に二人はすっかり関心を示した様子で、どんな風に振り回されるのか…とか、詳しく聞いて来る。わたしはわたしで、溜まった鬱憤を晴らすかのようにここ数日であったことを二人に聞いてもらう事にする。
朝っぱらからいきなり部屋に来て、寝てるわたしの横で荷物を物色されたこと。あっちこっちに連れて行こうとすること。何かって言うとわたしをからかって遊ぶこと。
「もう、本当に困りますっ!」
「困っちょる言いよるわりに、楽しそうだのう」
「あぁ、確かに」
一瞬、言葉に詰まった。……こっ、この人達までっ!!
「そ、そんなこと、ありません」
だから、若干反論する言葉が知りつぼみ気味だったのもしょうがない、と、思う。
坂本さんは、わたしを見ながらいつも通りの優しい口調で続ける。
「高杉さんのこと、嫌いではないんじゃろう?」
投げかけられた坂本さんのその言葉に、答える言葉を持たなかった。
確かに、高杉さんのことは嫌いじゃない…。でも、あんなに振り回されてるのに?
いや、けど確かにあの人、いい人で。嫌いなんていう人の方が珍しいんじゃないのかな…。
だから。
「よぉ、早いな!」
廊下に響いた声に、心臓が口から出そうになる。…高杉さんだ。
あまりのタイミングのよさに、自分の鼓動が随分早くなっているのがわかる。も、もう!!!龍馬さんが変なことを言うからッ!!
「ん?顔が赤いぞ?どうした?」
当然。そんなわたしの心境なんて知る由もない高杉さんは無遠慮にわたしの顔を覗き込んできて。もはやどんな顔をすればいいのかもわからないくらいパニックになったわたしは、高杉さんの視線を避けるようにさらに顔を伏せる。
「おい、おまえら」
言葉の響きと衣擦れの音で高杉さんが坂本さんと武市さんの方を振り返ったのがわかって、内心ほっとする。が。
「まさかとは思うが。オレの女に、手を出しちゃいないだろうな!」
言葉に瞬時に全力でわたしは答える!
「高杉さんの女じゃありませんっ!」
「いつもながら否定が早いな!」
当たり前だ!この調子でどんどん既成事実を作られてなるものかっ!!
そんな手にはのらないんだからっ!
「わたしはまだ、高杉さんの女なんかじゃありません」
きっぱり言い放つわたしの前で「ほぉ?」と高杉さんが笑う。
「な、……なんですか…」
「『まだ』な?」
「え??」
高杉さんの言葉の意味がわからなくて、頭の周りでハテナが飛ぶ。
「『まだ』だが、『いずれは』ってことだな?」
「っ!そんなこと言ってません!」
ダメだ。この人に勝つのは無理な気がするっ(泣)口では絶対勝てなさそうな高杉さんからせめてもの抵抗でプイッと顔を背けると、彼は逆にスッと顔を近づけてきた。
「いつもの元気が出たようだな」
「え?」
反射的に高杉さんを見ると、さっきまでの調子とは違う真剣な眼差しがそこにあった。
「昨日も言ったが、お前は笑っている方がいい」(高杉さん、カッコイイ(号泣))
至近距離の真っ直ぐな視線に。トクン、と、心臓が跳ねた気がした。
この人は、本当に心臓に悪い人だ。一緒にいると、落ち着く暇がない…と思う。
「あっついのう」
「あぁ。だが取り込み中に申し訳ないが、そろそろ会合に入りませんか?」
っ!!!!
わ、忘れてたっ!!!!坂本さんと武市さんがいたんじゃないっ!!!!わたわたするわたしをよそに、高杉さんは「ああ、そうだな」とか平然と言って部屋に入っていく。
わたしに「いい子で待ってろよ?」と、言い残して。
さて。そうして高杉さんたちがお話をしている間、いきなりわたしは暇になった。
が。高杉さんにも桂さんにも外に出たらダメだと釘をさされてるし。現役女子高生のわたしにできる『なにか』なんて限られている。
そんなわけで!
わたしは藩邸の人を捕まえて掃除道具の場所を教えてもらい、掃除をして待っていることにした。何もしないでいるのも退屈だしね!
掃除道具の場所を教えてもらう間、捕まえたお兄さんから「実は藩邸の人たちは高杉さんのお気に入りであるわたしに興味津々なのだ」とかそんな事実を教えてもらったり。
それから、お兄さんの話を聞いていて思ったのは。みんな高杉さんを本当に慕っているんだってこと。
「我等は皆、カシラを尊敬し信頼しています」
言ったお兄さんのキラキラした瞳がとても印象的で。そして、そんな風に皆から慕われる高杉さんが本当にすごいんだと、実感した。
…なかなかないよね。みんなに、こんなに好かれる人も。
お兄さんと別れて掃除をし始めてからは、自然にそんな高杉さんのことを考えていた。
龍馬さんに、「嫌いじゃないんだろう」って言われたっけ。
落ち葉を掃きながら、思う。
そりゃ嫌いじゃ、ないよ。
行き場のないわたしをここに置いてくれて。なんだかんだ言って、よくしてくれてるし。藩邸の人たちにも好かれているし…。ピンチの時には助けにきてくれて。
わたし。
高杉さんのこと、どう思っているんだろう……。
そういえば今日は、さっきちょっと顔を合わせただけで全然喋ってないなぁ…。
なんだかちょっと……寂しいな……と思うわたしは、もう随分高杉さんに影響されているのかもしれない。
「会いたいな……」
ぽつ、と呟いた時。
「よぉ、何ボーッとしてるんだ!」
聞きたかった声が間近で聞こえて、わたしは思ったよりもずっと大きな声で相手の名前を叫ぶ。
「たっ高杉さん!」
「なんだ、大声出して!」
心底びっくりしたらしい(それはわたしだって同じだけど)高杉さんが目を丸くしている。
「かっ、会合じゃなかったんですか」
「ははっ!まだ終わっちゃいないがお前が寂しがっているんじゃないかと思ってな!」
図星を指されすぎて、わたしはドキドキしていた。
ひょ、ひょっとして、さっきの聞かれてたんじゃないよね??と、ビクビクしながら高杉さんを見るけど、顔を見る限り面白がっている風でもからかう様子でもないし…どうやらそれはなさそうだ。……ちょっと安心。
そういえば。
「あの…会合、抜けてきちゃってよかったんですか?」
問うと、わたしが寂しがってると思うと会合どころじゃなかったからな。と、さっきと同じ答え。……いいのかなぁ~?いつも抜けちゃってるような…??
し、しかもっ、それって、ひょっとしてわたしが高杉さんの邪魔してるっ?
「わ、わたしは別に、寂しがってなんか……」
「なーんて……」
「え?」
「寂しかったのは、オレの方だ」
言うと、不意に高杉さんがその大きな手でわたしの頭をグリグリ撫で回す。
「お、驚くじゃないですか」
「別に、驚かすつもりはなかったんだが惚れさせるつもりは、いつでもあるぞ!」
……またぁ……。
もうこの手の問答で高杉さんに勝てないことは、今までの攻防を見ても明らかだ。
ただわたしは、どうすればいいのかがひたすらわからない。
「安心してオレに惚れろ!」
とか言っちゃう高杉さんが、ある意味羨ましすぎる……。
「もうじき会合も終わるから、それまでに面白い遊びでも考えておけ!」
なーんて軽く言いながら、高杉さんは屋敷の方に戻っていった。会いたいと思った時にきてくれて。ほんのちょっとだけど話せて。…ちょっとだけ、嬉しくなってしまったのは、悔しいのでナイショだ。
高杉さんが会合に戻った後、わたしは一所懸命高杉さんに言われた『遊び』を考えていた。
どうせだから高杉さんが驚くような、すっごく楽しんでくれるような、そんなのがいいな~と思って。
この世界の人がどんな遊びを楽しむのかわかんないけど。
高杉さんが笑ってくれるのは、悪くない、と。思う。
そうして、そんなふうに一所懸命。彼の為に考えている自分に気付いて。苦笑した。
しばらくして会合が終わったことを教えられて、わたしは縁側で寛いでいるみんなにお茶やお菓子を持っていった。
そこで、偶然の再会が待っていようとは露ほども思わずに。
「ん?お前はいつぞやの」
「っ!!!なんで大久保さんがいるんですか!」
気っ…気まずいっ!!!初対面があんな出会いだったから、すごく……気まずいっ!もう会うこともないかな~とか思ってたのにっ!
そんなわたし達をみて、周りのみんなが首をかしげている。
「大久保さんとは、そんなに面識がありましたか?」
武市さんがそう聞くと、大久保さんは例のあのデカい態度&上から目線で口を開く。
「面識も何も、会ってやるのはこれがまだ二度目だ」
はわわわわわっ!!!!
お願いだからもうそれ以上ツッコまないで~~~~!!!!!
初日のやりとりが頭の中で思い起こされて軽いパニックに陥りそうだ…!
「それにしちゃあ、仲良しさんじゃのお」(だから、坂本さんわたしが誰にでも尻尾振るような発言はちょっと…)
「これのどこが仲良しに見える」
「仲良しじゃありません!」
『あ……』
坂本さんの言葉に対する反応やら、その後の反応やら。あまりにピッタリ揃いすぎて気まずくなる…。
が。ここから大久保さんが、出会った時のあの出来事を事細かにみんなに話し始めたのだ。
ああああああっ!!!穴があったら入りたいっ!
「そもそもこれは、初対面で私を怒鳴りつけた小娘だぞ」
……ハイ。
「挙句の果てに、このわたしに向かって何様だ、器が小さいなどと…」
……ハイ、ソウデスネ。なんか、そんなこと言った覚えが……。
だって、あの時は以蔵のことで必死だったんだもん…。
武市さんや桂さんがドン引きするその空気の中で、一人おかしそうに笑ったのが高杉さんだった。
「あーっはっはっは!さすがオレが惚れた女だ!」
「笑い事ではないよ?晋作。これではいくつ命があっても足りない」
桂さんがそう言って溜息をつけば、龍馬さんも「確かに、ほうじゃのう」と頷く。
「だが、高杉さんが、何故こん子を気に入ったのかわかるような気がするぜよ」
「はっはっはっ!そうだろう!そうだろう!」
高杉さんは龍馬さんの言葉に嬉しそうに頷いてるし。
いや、もぉ、ほんと意味がわからないんでやめてください。。。
「ふん、まあ暇つぶし程度にはなるだろうから、土佐藩邸に来てもいいぞ」
このうえこの状況を引っ掻き回すか!!!(怒)という心中を隠して、ありがたぁい大久保さんの申し出を丁重にお断りする。
「気を使うな。素直に喜べ」
相変わらずの上から目線だなぁ……(苦笑)なんか、わたし、この人とはずっとこうやって合わないままのような気がするんだよなぁ…。
「おい、嫌なら嫌と、言ってやれ」
高杉さんは高杉さんで、そんなふうに事を荒立てるようなことを言ってくるし。
そもそも、それをしたから今さんざん大久保さんに言われたワケで。
「嫌ってほどでも、ないような…」
そんなわけで、わたしは今回必死で取り繕う。
すると、大久保さんが満足そうに笑った。
「素晴らしい人間の傍に在りたいと欲するのは、人の自然な欲求だ。私の所に来たいと願うのも、至極当然だな」
イヤ、願ってないし。(ビシッ)
「そ、そうなのか!」
イヤ、だから。高杉さんも人の話を……。
オタオタするわたしの周りで、話がどんどん進んでいく。
「ふふん。ならばハッキリと、こいつの口から言わせればいい。私と高杉くんのどちらがいいか……ひいては土佐藩邸と長州藩邸のどちらがいいか、だ」
イヤイヤイヤ。
なんだか、話が変な方向に進んでない???そんな話、してなかったよね??
「そもそも、女が男を選ぶなんて聞いたことがない」
武市さんの(現代人のわたしにとってはカッチーンとくる)言葉すら、二人には届かないようで。
「どっちなんだ!」
「さあ、正直に私を選んでいいぞ」
ズイズイと回答を迫られて、頭がパンクしそうになる。ナニソレ、ナニソレ、ナニソレ!?
なんでわたしが、どっちかを選ぶの!?
てか、今そんなこと選ぶ状況??(泣)
完全に頭に血が上った状況でわたしが出した答えは。
「わたし、桂さんが優しいから…長州藩邸がいいですっ!」
「え…?」
桂さんの間の抜けた声だけが場に落ちて、そして。
「ははは!お互いに振られたな!」
大久保さんがそんなふうに言ってるけど。どっちも選んでないんですけど。
……選んでないのに、どうして大久保さんが勝利者みたいに見えるんだろう…?
そんなことに気をとられている間に、高杉さんは桂さんに「わたしは渡さない!」とか言い出す始末。
本当は、高杉さんのところがいいって、言いたかったのに……。恥ずかしすぎて、思わず桂さんの名前出しちゃった。
私、バカだな……。
高杉さん、怒っちゃったかな……。なんだかちょっと怖いよ……。
つきん、と。胸の奥が痛んだ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「のぉ、高杉さん、ちくっといいじゃろうか?」
帰り際。龍馬は晋作に声をかけた。
「ん?どうした?坂本」
「なに、大したことじゃないきに。そこまで付き合ってくれ」
「ああ、構わないぞ!行くか!」
暮れかかる空。
門のところで手を振って坂本を見送る少女を背に、二人はフラリと通りを歩く。
それからいくらも行かないうちに、龍馬が切り出した。
「これからあの子を、どうするつもりじゃ」
「どうする?」
「ああ、いや。最初に見つけて、連れてきたのはワシじゃったからちくと気になってのう」
「ああ、そう言う事か……」
ふいと晋作が龍馬から視線を逸らした。
「まだあいつに、どうしたいか聞いてないからわからないな……」
晋作の答えに龍馬が目を見開く。
「まぁだ、聞いておらんのか?」
「……そうだな」
龍馬の問いに答える晋作の歯切れはとても悪い。日頃が快活なだけに不気味なほどだ。
「らしくないのう。帰ると言われるんが怖いんか?」
一瞬、晋作が息を飲むのがわかった。誤魔化すように、明るく続けたことも。
「ははは!坂本、あんた容赦のない奴だな!!」
笑い声に力がない。
だからこそ、釘をさしておかなければならない、と思ったのだ。少しでも早く。からかって、遊んでいたのだと。そう言って思い出にできるうちに。
「あの娘は、近く居なくなる子じゃ」
「……」
「本気になったら、いかんぜよ」
「……わかっている」
龍馬の忠告に、晋作は普通に答えて。だから、一瞬龍馬はほっとする。
この大事な時期に自分を見失われては、困る。
だが。
「……わかっては、いる」
言葉を、言い直したかのように聞こえた。……しかし、それは大違いだ。
「わかっているが、もう遅いんだ!オレはもうあいつでなけりゃダメなんだ!あいつ以外には、いらない!…あいつがいい!あいつだけが、欲しいんだっ!」
「…高杉さん」
「あいつでなけりゃ……ダメなんだ……」
この感情の止め方を知らない。消し方も知らない。……知りたくもない。
自分だってよくわからない。たかだか会って数日だ。こんな執着を覚えることの方がどうかしている。そんなことは『わかっている』そう。『わかってはいる』のだ。
行き場のない思いと、どうしようもない現状に言葉を詰まらせた晋作の肩を龍馬がポンと叩く。
「こがな巡り合わせも、あるもんなんじゃのお」
「出逢っちまったんだ、仕方ない」
坂本の苦笑に釣られて、晋作も苦笑する。
「だが、高杉さん。おんしはそれでのうても胸の件があるんやき、無理したらダメじゃよ?」
ああ。わかっている。
そして、どこまでも優しいこの男に感謝する。
「何かあったら。いつでも言ってくれ。相談にのるぜよ」
どこまでも、どこまでも。優しい男は何度か晋作を振り返りながら夕闇に消えていく。
「わかってる……自分の身体の事は、誰よりも…な」
失う明日を思うよりは、あいつと笑い合う明日を。
…それだけで、それを思うだけで救われる。
晋作は彼女の待つ藩邸へ足を向けた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「うーん。お菓子じゃ遊べないしなぁ……」
自分の部屋に戻ってスクバを引っくり返して、色々探してみたけれど。出てくるのはせいぜいお菓子ばっかり。
合宿中にみんなで食べようと思って用意したものだ。
結局『遊び』なんて思いつかなくて、高杉さんが帰って来るのを待っている間に考えるのを続行することにしたのだ。
と、唐突にさっきの自分を思い出した。
高杉さんと大久保さんを秤にかけて、ちゃんと高杉さんを選べなかったわたし。
さすがに……素直じゃなかったな…………。
高杉さんにはすごく良くしてもらってるのに。
よし!高杉さんが帰ってきたらちゃんと言おう!さっきは恥ずかしかっただけなんだって!
心の中でそう決意してしまうと、すごくスッキリした。
早く高杉さん帰ってこないかなぁ~???と、心待ちにしている自分がいる。
待っている。待っているから。……早くいつものあの笑顔に会いたい。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
ハイ、というワケで!第五話でしたー!!!
なんだか高杉さんが大変です……(汗)イベント用アイテムが『粉薬』(購入済み)だったことから何か持病をお持ちなのかな~?とは思ってましたけど。本当に深刻そうで笑うに笑えません(むしろ笑うな)
あああああ……待っている主人公ちゃんのもとに早く帰ってきてッ!!!
こんな終わり方じゃ続きが気になって仕方ないよッ!!!みたいな(笑)
しかしまぁ、そういう伏線を抱えているから当初『未来』に対してすごい興味を持っていたのかな。とか。ストレートな感情表現はいつ何があっても後悔しない為の高杉さんの生き方なのかな、とか。そう思って若干納得。
正直坂本さんにカミングアウトしてる時は「どんだけ~(古ッ)」な気分でしたけど、その後の病の件でゾクゾクしました。
ああ……。応えてあげたい(爆)
今日の選択肢
そんなこと言ってません!(花)
驚くじゃないですか
気になってひょいっと入り口を覗いて見ると、坂本さんと武市さんの姿が見えた。
「おはようございますっ!」
目が合って、元気よくご挨拶!一日の始まりは元気な挨拶から~ってね~!
二人とも笑って挨拶を返してくれた。しかも、元気がいいって褒められた!!
今日はいいことありそう~♪
「…龍馬、どうした?」
武市さんが、ふと坂本さんにそう問い掛けた。
坂本さん、武市さんをガン見してたから……気になったみたい。
「こん子と話す時は、武市もいい顔をすると思ってのう」(おおお!?)
「そ、そんな事はない!」(おおお……)
「にしし!すみにおけんのう」
坂本さんも何を言い出すやら(苦笑)武市さんが困ってるし。
「随分と賑やかだね」
そんな中、桂さんが現れてわたしは二人の案内役を仰せつかる。案内する道中でもこの二人はさっきの会話を続けている。
「武市、桂さんに救われたのう」
「もう、黙っていろ」
「えぇじゃないか」
「龍馬!」
…こんなこと話してるとわたしと大して年が変わらないような気すらしてくるよ。二人に背中を向けたままでくすくす笑っていると、坂本さんがわたしに声をかけてきた。
「藩邸での生活は、もう慣れたんかのう?」
「はい。お蔭様で。…あ。だけど」
『だけど?』
二人に同時に聞き返されて、やっぱりくすくす笑いながらわたしは答えた。
「高杉さんには、振り回されっぱなしです」
言葉に二人はすっかり関心を示した様子で、どんな風に振り回されるのか…とか、詳しく聞いて来る。わたしはわたしで、溜まった鬱憤を晴らすかのようにここ数日であったことを二人に聞いてもらう事にする。
朝っぱらからいきなり部屋に来て、寝てるわたしの横で荷物を物色されたこと。あっちこっちに連れて行こうとすること。何かって言うとわたしをからかって遊ぶこと。
「もう、本当に困りますっ!」
「困っちょる言いよるわりに、楽しそうだのう」
「あぁ、確かに」
一瞬、言葉に詰まった。……こっ、この人達までっ!!
「そ、そんなこと、ありません」
だから、若干反論する言葉が知りつぼみ気味だったのもしょうがない、と、思う。
坂本さんは、わたしを見ながらいつも通りの優しい口調で続ける。
「高杉さんのこと、嫌いではないんじゃろう?」
投げかけられた坂本さんのその言葉に、答える言葉を持たなかった。
確かに、高杉さんのことは嫌いじゃない…。でも、あんなに振り回されてるのに?
いや、けど確かにあの人、いい人で。嫌いなんていう人の方が珍しいんじゃないのかな…。
だから。
「よぉ、早いな!」
廊下に響いた声に、心臓が口から出そうになる。…高杉さんだ。
あまりのタイミングのよさに、自分の鼓動が随分早くなっているのがわかる。も、もう!!!龍馬さんが変なことを言うからッ!!
「ん?顔が赤いぞ?どうした?」
当然。そんなわたしの心境なんて知る由もない高杉さんは無遠慮にわたしの顔を覗き込んできて。もはやどんな顔をすればいいのかもわからないくらいパニックになったわたしは、高杉さんの視線を避けるようにさらに顔を伏せる。
「おい、おまえら」
言葉の響きと衣擦れの音で高杉さんが坂本さんと武市さんの方を振り返ったのがわかって、内心ほっとする。が。
「まさかとは思うが。オレの女に、手を出しちゃいないだろうな!」
言葉に瞬時に全力でわたしは答える!
「高杉さんの女じゃありませんっ!」
「いつもながら否定が早いな!」
当たり前だ!この調子でどんどん既成事実を作られてなるものかっ!!
そんな手にはのらないんだからっ!
「わたしはまだ、高杉さんの女なんかじゃありません」
きっぱり言い放つわたしの前で「ほぉ?」と高杉さんが笑う。
「な、……なんですか…」
「『まだ』な?」
「え??」
高杉さんの言葉の意味がわからなくて、頭の周りでハテナが飛ぶ。
「『まだ』だが、『いずれは』ってことだな?」
「っ!そんなこと言ってません!」
ダメだ。この人に勝つのは無理な気がするっ(泣)口では絶対勝てなさそうな高杉さんからせめてもの抵抗でプイッと顔を背けると、彼は逆にスッと顔を近づけてきた。
「いつもの元気が出たようだな」
「え?」
反射的に高杉さんを見ると、さっきまでの調子とは違う真剣な眼差しがそこにあった。
「昨日も言ったが、お前は笑っている方がいい」(高杉さん、カッコイイ(号泣))
至近距離の真っ直ぐな視線に。トクン、と、心臓が跳ねた気がした。
この人は、本当に心臓に悪い人だ。一緒にいると、落ち着く暇がない…と思う。
「あっついのう」
「あぁ。だが取り込み中に申し訳ないが、そろそろ会合に入りませんか?」
っ!!!!
わ、忘れてたっ!!!!坂本さんと武市さんがいたんじゃないっ!!!!わたわたするわたしをよそに、高杉さんは「ああ、そうだな」とか平然と言って部屋に入っていく。
わたしに「いい子で待ってろよ?」と、言い残して。
さて。そうして高杉さんたちがお話をしている間、いきなりわたしは暇になった。
が。高杉さんにも桂さんにも外に出たらダメだと釘をさされてるし。現役女子高生のわたしにできる『なにか』なんて限られている。
そんなわけで!
わたしは藩邸の人を捕まえて掃除道具の場所を教えてもらい、掃除をして待っていることにした。何もしないでいるのも退屈だしね!
掃除道具の場所を教えてもらう間、捕まえたお兄さんから「実は藩邸の人たちは高杉さんのお気に入りであるわたしに興味津々なのだ」とかそんな事実を教えてもらったり。
それから、お兄さんの話を聞いていて思ったのは。みんな高杉さんを本当に慕っているんだってこと。
「我等は皆、カシラを尊敬し信頼しています」
言ったお兄さんのキラキラした瞳がとても印象的で。そして、そんな風に皆から慕われる高杉さんが本当にすごいんだと、実感した。
…なかなかないよね。みんなに、こんなに好かれる人も。
お兄さんと別れて掃除をし始めてからは、自然にそんな高杉さんのことを考えていた。
龍馬さんに、「嫌いじゃないんだろう」って言われたっけ。
落ち葉を掃きながら、思う。
そりゃ嫌いじゃ、ないよ。
行き場のないわたしをここに置いてくれて。なんだかんだ言って、よくしてくれてるし。藩邸の人たちにも好かれているし…。ピンチの時には助けにきてくれて。
わたし。
高杉さんのこと、どう思っているんだろう……。
そういえば今日は、さっきちょっと顔を合わせただけで全然喋ってないなぁ…。
なんだかちょっと……寂しいな……と思うわたしは、もう随分高杉さんに影響されているのかもしれない。
「会いたいな……」
ぽつ、と呟いた時。
「よぉ、何ボーッとしてるんだ!」
聞きたかった声が間近で聞こえて、わたしは思ったよりもずっと大きな声で相手の名前を叫ぶ。
「たっ高杉さん!」
「なんだ、大声出して!」
心底びっくりしたらしい(それはわたしだって同じだけど)高杉さんが目を丸くしている。
「かっ、会合じゃなかったんですか」
「ははっ!まだ終わっちゃいないがお前が寂しがっているんじゃないかと思ってな!」
図星を指されすぎて、わたしはドキドキしていた。
ひょ、ひょっとして、さっきの聞かれてたんじゃないよね??と、ビクビクしながら高杉さんを見るけど、顔を見る限り面白がっている風でもからかう様子でもないし…どうやらそれはなさそうだ。……ちょっと安心。
そういえば。
「あの…会合、抜けてきちゃってよかったんですか?」
問うと、わたしが寂しがってると思うと会合どころじゃなかったからな。と、さっきと同じ答え。……いいのかなぁ~?いつも抜けちゃってるような…??
し、しかもっ、それって、ひょっとしてわたしが高杉さんの邪魔してるっ?
「わ、わたしは別に、寂しがってなんか……」
「なーんて……」
「え?」
「寂しかったのは、オレの方だ」
言うと、不意に高杉さんがその大きな手でわたしの頭をグリグリ撫で回す。
「お、驚くじゃないですか」
「別に、驚かすつもりはなかったんだが惚れさせるつもりは、いつでもあるぞ!」
……またぁ……。
もうこの手の問答で高杉さんに勝てないことは、今までの攻防を見ても明らかだ。
ただわたしは、どうすればいいのかがひたすらわからない。
「安心してオレに惚れろ!」
とか言っちゃう高杉さんが、ある意味羨ましすぎる……。
「もうじき会合も終わるから、それまでに面白い遊びでも考えておけ!」
なーんて軽く言いながら、高杉さんは屋敷の方に戻っていった。会いたいと思った時にきてくれて。ほんのちょっとだけど話せて。…ちょっとだけ、嬉しくなってしまったのは、悔しいのでナイショだ。
高杉さんが会合に戻った後、わたしは一所懸命高杉さんに言われた『遊び』を考えていた。
どうせだから高杉さんが驚くような、すっごく楽しんでくれるような、そんなのがいいな~と思って。
この世界の人がどんな遊びを楽しむのかわかんないけど。
高杉さんが笑ってくれるのは、悪くない、と。思う。
そうして、そんなふうに一所懸命。彼の為に考えている自分に気付いて。苦笑した。
しばらくして会合が終わったことを教えられて、わたしは縁側で寛いでいるみんなにお茶やお菓子を持っていった。
そこで、偶然の再会が待っていようとは露ほども思わずに。
「ん?お前はいつぞやの」
「っ!!!なんで大久保さんがいるんですか!」
気っ…気まずいっ!!!初対面があんな出会いだったから、すごく……気まずいっ!もう会うこともないかな~とか思ってたのにっ!
そんなわたし達をみて、周りのみんなが首をかしげている。
「大久保さんとは、そんなに面識がありましたか?」
武市さんがそう聞くと、大久保さんは例のあのデカい態度&上から目線で口を開く。
「面識も何も、会ってやるのはこれがまだ二度目だ」
はわわわわわっ!!!!
お願いだからもうそれ以上ツッコまないで~~~~!!!!!
初日のやりとりが頭の中で思い起こされて軽いパニックに陥りそうだ…!
「それにしちゃあ、仲良しさんじゃのお」(だから、坂本さんわたしが誰にでも尻尾振るような発言はちょっと…)
「これのどこが仲良しに見える」
「仲良しじゃありません!」
『あ……』
坂本さんの言葉に対する反応やら、その後の反応やら。あまりにピッタリ揃いすぎて気まずくなる…。
が。ここから大久保さんが、出会った時のあの出来事を事細かにみんなに話し始めたのだ。
ああああああっ!!!穴があったら入りたいっ!
「そもそもこれは、初対面で私を怒鳴りつけた小娘だぞ」
……ハイ。
「挙句の果てに、このわたしに向かって何様だ、器が小さいなどと…」
……ハイ、ソウデスネ。なんか、そんなこと言った覚えが……。
だって、あの時は以蔵のことで必死だったんだもん…。
武市さんや桂さんがドン引きするその空気の中で、一人おかしそうに笑ったのが高杉さんだった。
「あーっはっはっは!さすがオレが惚れた女だ!」
「笑い事ではないよ?晋作。これではいくつ命があっても足りない」
桂さんがそう言って溜息をつけば、龍馬さんも「確かに、ほうじゃのう」と頷く。
「だが、高杉さんが、何故こん子を気に入ったのかわかるような気がするぜよ」
「はっはっはっ!そうだろう!そうだろう!」
高杉さんは龍馬さんの言葉に嬉しそうに頷いてるし。
いや、もぉ、ほんと意味がわからないんでやめてください。。。
「ふん、まあ暇つぶし程度にはなるだろうから、土佐藩邸に来てもいいぞ」
このうえこの状況を引っ掻き回すか!!!(怒)という心中を隠して、ありがたぁい大久保さんの申し出を丁重にお断りする。
「気を使うな。素直に喜べ」
相変わらずの上から目線だなぁ……(苦笑)なんか、わたし、この人とはずっとこうやって合わないままのような気がするんだよなぁ…。
「おい、嫌なら嫌と、言ってやれ」
高杉さんは高杉さんで、そんなふうに事を荒立てるようなことを言ってくるし。
そもそも、それをしたから今さんざん大久保さんに言われたワケで。
「嫌ってほどでも、ないような…」
そんなわけで、わたしは今回必死で取り繕う。
すると、大久保さんが満足そうに笑った。
「素晴らしい人間の傍に在りたいと欲するのは、人の自然な欲求だ。私の所に来たいと願うのも、至極当然だな」
イヤ、願ってないし。(ビシッ)
「そ、そうなのか!」
イヤ、だから。高杉さんも人の話を……。
オタオタするわたしの周りで、話がどんどん進んでいく。
「ふふん。ならばハッキリと、こいつの口から言わせればいい。私と高杉くんのどちらがいいか……ひいては土佐藩邸と長州藩邸のどちらがいいか、だ」
イヤイヤイヤ。
なんだか、話が変な方向に進んでない???そんな話、してなかったよね??
「そもそも、女が男を選ぶなんて聞いたことがない」
武市さんの(現代人のわたしにとってはカッチーンとくる)言葉すら、二人には届かないようで。
「どっちなんだ!」
「さあ、正直に私を選んでいいぞ」
ズイズイと回答を迫られて、頭がパンクしそうになる。ナニソレ、ナニソレ、ナニソレ!?
なんでわたしが、どっちかを選ぶの!?
てか、今そんなこと選ぶ状況??(泣)
完全に頭に血が上った状況でわたしが出した答えは。
「わたし、桂さんが優しいから…長州藩邸がいいですっ!」
「え…?」
桂さんの間の抜けた声だけが場に落ちて、そして。
「ははは!お互いに振られたな!」
大久保さんがそんなふうに言ってるけど。どっちも選んでないんですけど。
……選んでないのに、どうして大久保さんが勝利者みたいに見えるんだろう…?
そんなことに気をとられている間に、高杉さんは桂さんに「わたしは渡さない!」とか言い出す始末。
本当は、高杉さんのところがいいって、言いたかったのに……。恥ずかしすぎて、思わず桂さんの名前出しちゃった。
私、バカだな……。
高杉さん、怒っちゃったかな……。なんだかちょっと怖いよ……。
つきん、と。胸の奥が痛んだ。
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「のぉ、高杉さん、ちくっといいじゃろうか?」
帰り際。龍馬は晋作に声をかけた。
「ん?どうした?坂本」
「なに、大したことじゃないきに。そこまで付き合ってくれ」
「ああ、構わないぞ!行くか!」
暮れかかる空。
門のところで手を振って坂本を見送る少女を背に、二人はフラリと通りを歩く。
それからいくらも行かないうちに、龍馬が切り出した。
「これからあの子を、どうするつもりじゃ」
「どうする?」
「ああ、いや。最初に見つけて、連れてきたのはワシじゃったからちくと気になってのう」
「ああ、そう言う事か……」
ふいと晋作が龍馬から視線を逸らした。
「まだあいつに、どうしたいか聞いてないからわからないな……」
晋作の答えに龍馬が目を見開く。
「まぁだ、聞いておらんのか?」
「……そうだな」
龍馬の問いに答える晋作の歯切れはとても悪い。日頃が快活なだけに不気味なほどだ。
「らしくないのう。帰ると言われるんが怖いんか?」
一瞬、晋作が息を飲むのがわかった。誤魔化すように、明るく続けたことも。
「ははは!坂本、あんた容赦のない奴だな!!」
笑い声に力がない。
だからこそ、釘をさしておかなければならない、と思ったのだ。少しでも早く。からかって、遊んでいたのだと。そう言って思い出にできるうちに。
「あの娘は、近く居なくなる子じゃ」
「……」
「本気になったら、いかんぜよ」
「……わかっている」
龍馬の忠告に、晋作は普通に答えて。だから、一瞬龍馬はほっとする。
この大事な時期に自分を見失われては、困る。
だが。
「……わかっては、いる」
言葉を、言い直したかのように聞こえた。……しかし、それは大違いだ。
「わかっているが、もう遅いんだ!オレはもうあいつでなけりゃダメなんだ!あいつ以外には、いらない!…あいつがいい!あいつだけが、欲しいんだっ!」
「…高杉さん」
「あいつでなけりゃ……ダメなんだ……」
この感情の止め方を知らない。消し方も知らない。……知りたくもない。
自分だってよくわからない。たかだか会って数日だ。こんな執着を覚えることの方がどうかしている。そんなことは『わかっている』そう。『わかってはいる』のだ。
行き場のない思いと、どうしようもない現状に言葉を詰まらせた晋作の肩を龍馬がポンと叩く。
「こがな巡り合わせも、あるもんなんじゃのお」
「出逢っちまったんだ、仕方ない」
坂本の苦笑に釣られて、晋作も苦笑する。
「だが、高杉さん。おんしはそれでのうても胸の件があるんやき、無理したらダメじゃよ?」
ああ。わかっている。
そして、どこまでも優しいこの男に感謝する。
「何かあったら。いつでも言ってくれ。相談にのるぜよ」
どこまでも、どこまでも。優しい男は何度か晋作を振り返りながら夕闇に消えていく。
「わかってる……自分の身体の事は、誰よりも…な」
失う明日を思うよりは、あいつと笑い合う明日を。
…それだけで、それを思うだけで救われる。
晋作は彼女の待つ藩邸へ足を向けた。
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「うーん。お菓子じゃ遊べないしなぁ……」
自分の部屋に戻ってスクバを引っくり返して、色々探してみたけれど。出てくるのはせいぜいお菓子ばっかり。
合宿中にみんなで食べようと思って用意したものだ。
結局『遊び』なんて思いつかなくて、高杉さんが帰って来るのを待っている間に考えるのを続行することにしたのだ。
と、唐突にさっきの自分を思い出した。
高杉さんと大久保さんを秤にかけて、ちゃんと高杉さんを選べなかったわたし。
さすがに……素直じゃなかったな…………。
高杉さんにはすごく良くしてもらってるのに。
よし!高杉さんが帰ってきたらちゃんと言おう!さっきは恥ずかしかっただけなんだって!
心の中でそう決意してしまうと、すごくスッキリした。
早く高杉さん帰ってこないかなぁ~???と、心待ちにしている自分がいる。
待っている。待っているから。……早くいつものあの笑顔に会いたい。
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ハイ、というワケで!第五話でしたー!!!
なんだか高杉さんが大変です……(汗)イベント用アイテムが『粉薬』(購入済み)だったことから何か持病をお持ちなのかな~?とは思ってましたけど。本当に深刻そうで笑うに笑えません(むしろ笑うな)
あああああ……待っている主人公ちゃんのもとに早く帰ってきてッ!!!
こんな終わり方じゃ続きが気になって仕方ないよッ!!!みたいな(笑)
しかしまぁ、そういう伏線を抱えているから当初『未来』に対してすごい興味を持っていたのかな。とか。ストレートな感情表現はいつ何があっても後悔しない為の高杉さんの生き方なのかな、とか。そう思って若干納得。
正直坂本さんにカミングアウトしてる時は「どんだけ~(古ッ)」な気分でしたけど、その後の病の件でゾクゾクしました。
ああ……。応えてあげたい(爆)
今日の選択肢
そんなこと言ってません!(花)
驚くじゃないですか
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